「クラウドサインとFAST SIGNは比較すると、どう違うのだろう…?」
電子契約サービスの導入を検討したい企業担当の方は、上記のように悩んでいるのではないでしょうか。電子契約サービスはさまざまなサービスがあり、どれを採用したらいいのか判断が難しいです。
電子契約サービスは、契約書をプリントして署名・押印するという作業がなくなり、パソコンやスマートフォンなどの端末上で簡単に契約を結ぶことができます。デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する企業が増えつつあり、デジタル化の流れはさらに加速することが予測されますので、この記事を読むことで電子契約サービスの導入検討の参考にしてください。
この記事では、「クラウドサイン」と「FAST SIGN」の比較を料金・特徴・評判から紹介します。また、電子契約サービスを選ぶポイントも解説していきます。
電子契約比較|クラウドサインとFAST SIGN
クラウドサインとFAST SIGNの料金と機能を比較した一覧表を下記にまとめました。
クラウドサイン | FAST SIGN | |
---|---|---|
テンプレート機能 | 〇 | 〇 |
AI契約書レビュー連携 | 〇 | × |
ワークフロータスク機能 | 〇 | × |
立会人型 | 〇 | 〇 |
当事者型 | × | × |
紙の契約書電子化 | クラウドサインSCANと連携 | × |
システム連携 | 〇 | web面接ツール連携 |
月額費用 (有料プラン) | 11,000円~ | 11,000円~ |
送信料/件 | 220円 | 0円 |
無料プラン/トライアル | 〇 | 〇 |
※すべて税込価格です
上記の表の通り、クラウドサインとFAST SIGNはAI契約書レビュー支援サービスとの連携やワークフロー機能の有無などのサービスに差があります。
電子契約サービスを選ぶ際は、月額費用や送信料だけで判断せず、機能の差も確認することが大切です。
以下から、クラウドサインとFAST SIGNについて、詳しく比較していきます。
料金プラン比較|クラウドサインとFAST SIGN
クラウドサインとFAST SIGNの料金プランについて下記に紹介していきます。
クラウドサインの料金プラン
クラウドサインの料金プランは、無料プランと有料プランがあります。
無料プラン(フリープラン)
無料プランは、最低限の契約締結業務に機能がしぼり込まれたプランです。
サービス内容は、登録できるユーザー数は1名のみで、1ヶ月の送信件数は5件までとなります。
有料プラン
有料プランは、企業で使うことに適した機能を搭載している管理機能を強化したプランです。
3つのプランが有料プランにはあり、最も安いライトプランは月額11,000円から利用可能となります。
下記にクラウドサインの料金プランについてまとめました。
プラン | Light | Corporate | Enterprise |
---|---|---|---|
月額料金(税込) | 11,000円 | 30,800円 | 要問合せ |
送信件数ごとの費用(税込) | 220円 | 220円 | 要問合せ |
ユーザー数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
送信件数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
主な機能 | ・書類の作成・送信 ・電子署名+タイムスタンプ ・高度な認証リクエスト機能 ・テンプレート作成・管理 ・二要素認証 ・多言語対応 | (Lightの機能に加えて) ・紙の書類のインポート ・監査ログ ・Web API | (Corporateの機能に加えて) ・アカウント登録制限 ・IPアドレス制限 ・承認権限設定 ・電話サポートなど |
FAST SIGNの料金プラン
FAST SIGNは、どのプランも初期費用はかかりません。月額料金(税込)は、ライトプランが11,000円、ベーシックプランが22,000円です。FAST SIGNのプランはどれも担当者のアカウント数は無制限となっています。
FAST SIGNは、タイムスタンプオプションがあり、ライトプランが3,300円(税込)、ベーシックプランが13,200円(税込)で利用できます。しかし、他社の電子契約サービスにはタイムスタンプが標準搭載されている場合が多いため、FAST SIGNのデメリットといえるでしょう。
ちなみに、クラウドサインは、2018年3月よりスタンダードプラン以上の有償サービスでタイムスタンプが自動的に付与されます。
下記にFAST SIGNの料金プランについてまとめました。
プラン | ライトプラン | ベーシックプラン | プラミアムプラン |
---|---|---|---|
月額料金(税込) | 11,000円 | 22,000円 | 応相談 |
締積可能件数 | 100通 | 500通 | 応相談 |
ユーザー数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
特徴比較|クラウドサインとFAST SIGN
以下から、クラウドサインとFAST SIGNの特徴について紹介していきます。
クラウドサインの特徴
クラウドサインの特徴は3点あります。
- 最新のセキュリティ技術が整っている
- 契約相手がクラウドサインを導入していなくても利用できる
- サポートがスピーディに対応してもらえる
下記に詳しく解説していきます。
①最新のセキュリティ技術が整っている
クラウドサインは、弁護士監修の電子契約サービスなので、どのような場面にも対応できる万全のセキュリティ体制が整っています。
クラウドサインのセキュリティ対策は以下のようなものがあります。
- 電子署名・タイムスタンプ
- 暗号化通信
- ファイアウォール
- 保存ファイルの暗号化
- 自動バックアップ
- 機密保持ポリシー
- アカウント保護
- IPアドレス制限
- ISO2700取得
上記の「電子署名」と「タイムスタンプ」は、契約書が改ざんされていないことを証明できるとても重要なセキュリティ対策といえます。
なぜなら、電子署名は「誰が」「何を」したのか証明できて、タイムスタンプは「いつ」合意したかが明確になるため、上記2つを合わせれば、契約書の証拠力が格段に向上するからです。
電子署名のみの電子契約書の有効期間は1年です。
しかし、タイムスタンプが付与されると、10年に期間が延長され、契約書を交わした両者にとって大きな安心につながるでしょう。
②契約相手がクラウドサインを導入していなくても利用できる
クラウドサインは、契約相手がクラウドサインを利用していなくても契約締結できます。
さらに、契約先はメールで届いたリンクをクリックすることで、契約書の確認・合意締結できるのです。
また、契約先に費用は発生しません。
利用方法などの説明は必要ですが、紙の契約書を使用している会社と契約する際、電子契約を締結できることが特徴です。
クラウドサインはPDFで保管しているため、取引先が紙の契約書を必要としている場合でも、PDF化した契約書で対応できます。
③サポートがスピーディに対応してもらえる
クラウドサインは、サポートがスピーディなことでも評価されています。
管理画面のアイコンからチャットでの問合せができて、「通常数時間以内に返信」ですが、実際のところは数分で返信がある場合が多いです。
スピーディな回答を得られると、社内や契約先から質問があった際に業務が滞る心配もないでしょう。
チャットサポートは、メールでの問い合わせというより、LINEのようなやり取りが可能です。
つまり、ちょっとした疑問でも気軽に質問できて、返事がくるため安心して利用できます。
FAST SIGNの特徴
上記に対して、FAST SIGNの特徴も3つありますので以下に紹介します。
- 無駄なコストがかからない
- 多くの担当者や大量の契約対応に向いている
- 面接から雇用契約まで、すべてWebで完結する
下記に詳しく解説します。
①無駄なコストがかからない
電子契約サービスは、契約書を発行・送信したときに費用が発生するのが一般的です。
例えば、文面にミスがあるなどの理由から再発行が必要になった場合、再送時に費用がかかります。
また、取引先が契約を締結しなかった場合は、費用が無駄になるリスクもあるのです。
FAST SIGNは、契約書の発行時ではなく契約の締結後に契約書の通数をカウントします。
つまり、固定料金で複数担当者に多くの契約書を送信することが可能です。
契約書の発行・送信で無駄なコストをかけたくない企業に最適といえるでしょう。
②多くの担当者や大量の契約対応に向いている
FAST SIGNは、固定料金で担当者アカウントの発行が無制限に行えます。
したがって、多くの契約書類を複数担当者に送信する必要がある企業に向いているのです。
例えば、派遣登録者と毎月に多くの契約更新がある人材派遣会社や、全国チェーンの店舗などのアルバイト雇用などに利用しやすいでしょう。
また、雇用契約は個人契約になることから相手がスマートフォンであるケースが多いです。
相手のスマートフォンが、迷惑フォルダやメールフィルタなどでうまくメールが届かないケースも発生します。
しかし、FAST SIGNは、電話番号のSMSによる通知ができるようになっていることが特徴です。
つまり、BtoBやBtoCなど幅広く利用しやすいといえるでしょう。
③面接から雇用契約まで、すべてWebで完結する
FAST SIGNは、Web面接ツール「SOKUMEN」と連携しているため、面接から雇用契約までをWebで完結できます。
採用活動以外でも、さまざまなシーンで素早い契約締結が可能になります。
例えば、派遣スタッフのアフターフォロー時の契約の更新やオンライン商談後の契約・発注業務、労働者派遣契約などが行えるのです。
また、複数担当者が大量の契約書をあつかう企業では、すべてをWebで対応できるので、外出先での確認や契約業務を効率化できます。
さらに、FAST SIGNは、テンプレートの内容を一部変更できるため、相手の条件に対応した労働条件通知書を送付できます。
業務のオンライン化や効率化を推進したい企業は、「FAST SIGN」と「SOKUMEN」の活用がおすすめです。
口コミと評判比較|クラウドサインとFAST SIGN
ここまでは、クラウドサインとFAST SIGNの料金や特徴について解説してきました。
電子契約サービスの導入を検討したい企業担当の方は、実際にサービスを利用した方の口コミと評判が気になることでしょう。
以下に、クラウドサインとFAST SIGNを利用した企業担当の方の口コミと評判を紹介していきます。
クラウドサインの口コミと評判
Qクラウドサインを導入したことによる効果を実感するところはありますか A以前は発注書を郵送もしくはメール送信した後、相手方から返送いただくまで、全体の平均値としては5営業日以上かかっていました。
ところがクラウドサイン導入後は完了まで平均で2日余りとほぼ半分に短縮しています。
繁忙月には600件もの発注処理に加え、それ以外の契約処理、さらに月末には請求・支払い処理が重なります。
かつては多くの人員を割いてなんとか対応していましたが、今では4人だけできちんと問題なく捌けています。
もしこれがまだ紙書類のままだったら、4人ではまったく太刀打ちできていないと思いますね。
この成果は驚異的で、まさにクラウドサインのおかげです。
バックオフィスだけでなく各事業部にも恩恵があります。
例えば急きょ外部に委託しなければならない事態が発生したときに、以前だと発注処理が間に合わないので「対応できません」と断るしかなかったところも、「見積書さえすぐにもらえれば対応できます」というように、時間が少ないなかでもフォローできる範囲が広がりました。
引用元:クラウドサイン|導入事例
Q相手方の反応はいかがですか。 Aネガティブな声はほとんどないですね。
クラウドサインの利用を承諾いただけなかったパートナー企業様は数社程度とわずかです。
パートナー様の方でも印刷・調印・郵送また印紙が不要になり、契約業務が楽になる、手続きのスピードが上がるといった感想をいただいています。
2019~2020年頃の導入直後は「クラウドサインって何?」という声もありましたが、今ではほとんどの会社でスムーズに受け入れられ、認知度が高まっていることを実感しますね。
FAST SIGNの口コミと評判
QFAST SIGN導入による効果について実感されている点はございますか A今まで紙でやりとりしていたので、スピード感が遅かったんですよね。
リモートワークも取り入れているので、出社していなかったりすると捺印や申請が遅くなったりだとか、それによって要件をお伺いするためのNDA締結も遅れてしまい、なかなか先に進まないということもありました。
それがFAST SIGNでの締結完了によってスムーズにお話が聞けるようになったというところも感じています。
スピード感を持って対応できることで先方からの信頼度も上がりますよね。
引用元:FAST SIGN|導入事例
QFAST SIGNを利用し始めて、社内や契約相手の反応はいかがですか A社内的なところで言うと非常に使いやすく好評です。
設定自体もすごく簡単にできるという印象があります。
営業部全員、10数名ほどが利用していますが皆スムーズに使えています。社内でマニュアルも作成しましたが、特段マニュアルも必要ないと感じるくらい簡単に使えていると思います。
クライアント様にも全く問題なく利用いただいていますし、世の中的にも浸透してきているなと感じます。
クラウドサイン、FAST SIGNともに社内の業務効率化や、クライアント企業にもスムーズに受け入れられているという評判であることがわかりました。
電子契約サービス選定ポイント3つ
最後に、電子契約サービス選定ポイントを3つ紹介しますので参考にしてください。
①自社の業種・業態のシステムに合っているか
まず、電子契約サービス選定は、自社が目指すビジネスモデルに必要な法律面・商習慣に対応できるシステムなのかを確認しましょう。
一般的な契約書は会社法上10年の保管期限ですが、各業種・業態によっては別の法律で保管期限が決められているものもあります。
また、契約承認のステップは会社によって複数名が必要な場合や多段階となるケースもあるでしょう。
汎用的な機能面だけではなく、カスタマイズできる自由度もふくめてチェックすることが重要です。
②契約件数のコストに見合っているか
次に、電子契約サービス選定は、自社の規模や契約件数に見合ったシステムを選択しましょう。
例えば、契約件数が多い企業では、送信料が安いシステムを選ぶとメリットがあります。
また、確認事項として、該当のサービスが「過去の紙契約書を電子化可能」「電子化のコスト」があげられるので、自社が求めるコストに見合ったシステムかどうかの見極めが必要といえるでしょう。
③外部連携の自由度が使用目的と一致しているか
電子契約サービスは、書面契約の「押印締結・保管」機能だけでなく、契約に必要な機能と連携できるサービスがあります。
例えば、契約書作成では、テンプレートが活用できるものやAI契約書レビューサービスと連携できるものを選択することで、作成ステップが効率化できます。
外部連携がどこまで可能かという点は、長期利用を考えるうえでとても重要です。
まずは、「外部連携ができるシステムか」「連携できるシステムは限定的か」「APIで幅広く可能か」など、自社の求める自由度にあったシステムかを確認するようにしましょう。
まとめ
この記事では、
上記について解説しました。
クラウドサインとFAST SIGNにはそれぞれ特徴があり、電子契約サービスを選ぶ際のポイントは下記です。
電子契約サービスを導入しても「自社の課題に合ったものではない」「使いこなせない」といった理由で、解約するケースもよくあります。
電子契約サービスを導入する際のポイントをしっかりとおさえて、自社のデジタル化・業務効率化を図りましょう。