電子契約サービス乗り換え方法総まとめ｜選び方のポイントや注意点を解説

現在使用している電子契約サービスの乗り換えを検討しているものの、

という人は多いのではないでしょうか。

この記事では、電子契約サービスを乗り換える際の手順を紹介します。また、乗り換え先を選ぶときのポイントや注意点についても取り上げているため、ぜひ参考にしてください。

電子契約サービスを乗り換える理由

企業によって電子契約サービスを乗り換える理由はさまざまです。ここでは具体的な乗り換え理由を紹介します。

特定の理由から乗り換えることもあれば、複数の理由から乗り換えを決断することもあります。

コストを抑えたい

現在使用している電子契約サービスのコストが高いために、乗り換えを検討している企業は少なくないでしょう。

電子契約サービスは、一般的に月払いや年払いといったサブスクリプション形式で支払うケースが多くなっています。また、サービスによっては従量課金制となっており、利用人数やデータ容量を増やすとそれに比例してどんどん金額が高くなるケースもあるでしょう。

このようなコストを見直すために乗り換えを検討します。

機能面での不便さ

電子契約サービスと一言でいっても、サービスによって利用できる機能が異なるため、中には自社の業務に必要な機能を備えておらず、機能面での不便さから乗り換えを検討するケースもあります。

具体的には、

・実印相当の効力が認められている署名で契約を結びたいもののできない
・すぐに署名できるようにスマホで利用したいができない

といったものです。

電子契約サービスは、業務効率化につながるものですが、機能面が不足しているとかえって業務効率の低下を招きかねません。

操作性の悪さ

機能だけでなく、操作性の良し悪しも電子契約サービスの乗り換えを検討するきっかけとなります。

例えば、操作画面がわかりにくく、操作に手間取ってしまうため社内に浸透していない、電子署名を依頼するお客さまから「紙の契約書より面倒」と言われるといったケースです。

法改正への対応

電子契約に関する法改正が行われ、法律に対応するためにサービスを乗り換えるケースもあります。

例えば、国税関係の帳簿や書類を電子データで保存する際の要件を定めた法律「電子帳簿保存法」は、2021年1月に改正されました。

今後も関連法の改正が起こる可能性はあるため、改正に伴いサービスの乗り換えを検討するケースはあるでしょう。

乗り換え先を選ぶときのポイント

ここでは、乗り換え先のサービスを選ぶ際のポイントを紹介します。乗り換えた後に「ほかのサービスを選べばよかった」といったことにならないためにも、しっかりとポイントを抑えておきましょう。

セキュリティへの対応

電子契約サービスの利用にあたっては、セキュリティの堅牢性は非常に重要です。安全面で不安の残るサービスだと、情報漏洩など大きなトラブルにつながる可能性があります。

セキュリティ面に関しては、アクセス制限の有無、データ改ざん防止機能の有無などをチェックしましょう。また、サービスを提供する企業のセキュリティポリシーを確認することも大切です。

社内稟議に対応しているか

社内稟議のワークフロー機能を備えたサービスであれば、時間や場所を問わず社内稟議ができるため、よりスピーディーに業務を進められます。できるだけ早く契約を結びたいと考える人は多いはずなので、社内稟議のワークフロー機能の有無はチェックしておきたいところです。

ただし、サービスによって社内稟議の手順が異なるため、乗り換えたためにこれまでのフローの見直しが発生する可能性があります。見直しによってかえって担当者に大きな負担がかかる可能性もあるため、その点にも注意してください。

料金体系

料金体系が自社の契約件数にあっているかどうかという点も重要なポイントです。契約件数が少ないにも関わらず、規模の大きいサービスを契約すると、実際に結ぶ契約件数と料金のバランスは悪くなります。

基本的に、料金は契約件数と比例するため、サービスを選ぶ際は、自社で年間・月間でどのくらいの契約を結んでいるのか確認しておきましょう。それを踏まえたうえでサービスを選べばコストカットにつなげられます。

電子契約サービスの乗り換え手順

ここでは、新しい電子契約サービスに乗り換える際の手順を紹介します。「何からすればいいのかわからない」、といった場合は参考にしてください。

乗り換え先の候補を選ぶ

まずは、乗り換え先となる電子契約サービスの候補をいくつかリストアップしましょう。候補を選ぶ際のポイントは以下の通りです。

・自社の業務に必要な機能を備えているか
・導入時・導入後の総コスト
・既存の契約書を移行できるか
・サポート体制
など

コストに関しては、導入時に別途費用がかかる可能性があるため、それを含めて確認してください。また、サービスによっては、現在使用中のサービスから移行するデータの管理方法が異なる可能性があります。そうなると管理の手間が大きくなるため注意してください。

社内の許可を得る

電子契約サービスの乗り換えにあたっては、社内体制の整備が欠かせません。企業によっては、電子契約書へのアクセスや閲覧が制限されるなど、ルールが設けられていることもあります。そのため、乗り換えにあたっては、全社的に許可を得なければなりません。

1つの部署が「乗り換え反対」となると乗り換えができなくなります。

現在のサービスからデータをダウンロードしておく

乗り換え後にデータを移行することになるため、現在利用中の電子契約サービスから契約書データをダウンロードしておきます。サービスを解約すると、データが消えてしまい、移行できなくなるため、乗り換えが決まった時点で早めにダウンロードしておきましょう。

無料トライアルを活用してサービスを選定する

電子契約サービスによっては、無料トライアルを実施しているケースもあるため、それらを利用して、乗り換え候補となっているサービスを実際に利用しましょう。

実際に利用することで、いい面や悪い面が見えてきます。また、管理画面のわかりやすさ、直感的に操作できるかどうか、といった点もチェックしておくことで、導入後のトラブルを回避できます。

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乗り換え先のサービスを契約する

機能や料金の比較、無料トライアルなどを踏まえて、最終的に乗り換えるサービスを決定し、契約を結びます。

なお、乗り換え先のサービスと契約を結んだからといって、すぐに現在利用中のサービスを解約することはしないでください。

契約後にはデータ移行作業が控えており、万が一トラブルが発生した時に備えるためです。

初期設定を行う

乗り換えた電子契約サービスの初期設定を行います。アクセス権限や管理機能を備えている場合は、それらの設定を、ほかのシステムと連携する場合は、連携手続きを行います。また、合わせて業務フロー図や社内用のマニュアルなども作成しておくとスムーズに移行できます。必要に応じて取引先などへもサービスを乗り換えたことを共有してください。

そのほかにも、これまで使用していた電子契約サービスからダンロードしておいた契約書のデータを、乗り換え先のサービスへアップロードしておきましょう。

旧電子契約サービスを解約する

データの移行まで完了したら、これまで利用していた電子契約サービスを解約します。

なお、解約にあたっては新サービスの運用を問題なく行えているかどうか、疑問点や問題点は全て洗い出せているかどうかを確認しておく必要があります。ここで何かしらの問題が発生しているようであれば、解約はもう少し先送りした方がいいでしょう。

乗り換え時の注意点

ここでは電子契約サービスを乗り換える際の注意点を紹介します。満足のいく乗り換えをするためにも、注意点をしっかりと抑えておきましょう。

無料プランの有無

乗り換え先の選定にあたっては、無料トライアルや無料プランなどを活用してサービスを試してみることが大切です。無料プランなしで、いきなり有料プランからの利用となると、少なからずコストも発生します。

自社にあったサービスを選ぶためにも、無料プランでお試しができるかどうか注意してください。

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サポート体制の有無

新しいサービスを導入する場合、何かしらのトラブルが発生する可能性があります。そのようなときに、どういったサポートが受けられるのかどうかは重要なポイントです。

例えば、マニュアルを用意してくれる、電話やメールでサポートしてくれる、解説動画が用意されているなど、サポート体制が充実していれば、スムーズな導入が可能となるでしょう。また、社内向けのサポートだけでなく、契約書に署名する社外向けのマニュアルがあるかどうかも大切です。

既存データの取り扱い

乗り換えにあたっては、乗り換え先だけでなく、現在使用中の電子契約サービスについてもチェックしておく必要があります。

例えば、現在のサービスを解約すると、解約時もしくは一定期間経過後にデータが全て削除されてしまいます。乗り換え先にデータを移行するためにも、いつデータが削除されるのか確認し、早めにダウンロードしておくことが大切です。

解約時のルール

サービスによっては、解約時に違約金が発生するケースもあります。また、「解約は●ヶ月前までに申し出る」といったルールを設けていることもあるでしょう。

申し出るタイミングを間違えると、乗り換え先のサービスとの二重契約期間が続き、余計なコストが発生する可能性があります。支出をできるだけ抑えられるタイミングを把握しておくことが大切です。

乗り換え先におすすめの電子契約サービス

ここでは、実際に乗り換えを検討している企業の担当者に向けて、おすすめの電子契約サービスを紹介します。どのようなサービスがあるのか、どれがいいのか迷っている人、どれを選べばいいのかわからない人は参考にしてください。

GMOサイン

GMOサインは、インターネット大手のGMOグループの一員であるGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が運営する電子契約サービスです。

GMOサインには、メールと手書きサインによって認証する「立会人型」のプランと、電子証明によって認証する「当事者型」のプランが用意されているため、契約の種類に応じて使い分けることができます。また、印章管理規定や署名権限管理が厳格に設定されているため、セキュリティ面を考慮しても導入しやすいでしょう。

ワークフローにも対応しているほか、Salesforceやkintoneといった他のサービスとの連携も可能です。

クラウドサイン

クラウドサインは、弁護士ドットコム株式会社が運営する電子契約サービスです。

電子契約サービスでありながら、裁判所向けの説明資料なども充実していることもあり、決裁資料として活用することもできます。また、クラウドサインでは、テンプレート管理機能や一括作成機能、アラート通知機能、ワークフロー申請機能、契約書管理機能など、業務で使用する機能は一通り揃っているため、多くの企業で導入しやすい点も特徴です。

そのほかにも、合意締結証明書の発行にも対応しているため、電子契約に不安を持つ関係者や取引先の不安払拭にも貢献してくれます。

マネーフォワード クラウド契約

マネーフォワード クラウド契約は、株式会社マネーフォワードが運営する電子契約サービスです。

ワークフローの承認や契約書の保管・管理をワンストップで行えます。ワークフローは自社のニーズに応じて自由にカスタマイズできるほか、承認者を固定することできるため、内部統制を強化したい企業にもおすすめです。

また、メールアドレスがあれば電子契約を結べるため、取引先にアカウント作成してもらう必要がなく、電子契約の導入ハードルを大きく下げてくれます。

freeeサイン

freeeサイン（旧NINJA SIGN）は、freeeサイン株式会社が運営する電子契約サービスです。

契約の締結はもちろんのこと、契約書の作成や承認、管理など、契約に関する業務をワンストップで対応してくれます。電子契約は、目的に応じて電子サインと電子署名を使い分けられる点が特徴で、取引先などが契約書にサインする際はサービスへの登録は不要です。

また、導入後は、電話、メール、チャットなどによるサポートを受けられるため、安心して導入できるでしょう。サポート対象は、契約企業だけでなく、取引先の企業まで含まれています。

DX-Sign

DX-Signは、株式会社クロスベイターが運営する電子契約サービスです。

弁護士の監修を受けているこちらのサービスは、操作性に特徴を持っています。画面を見たときに、直感的に扱えるようになっているため、ITツールの操作に慣れていない人、新しいツールで不安な人でも扱いやすいでしょう。

電子契約業務に必要となる機能を備えたシンプルな設計のサービスとなっているため、初めて電子契約サービスを導入する企業にもおすすめです。

まとめ

今回は、電子契約サービスを乗り換える理由や乗り換える際の具体的な手順などについて解説しました。

企業が電子契約サービスを乗り換える理由は、料金や機能、操作性、法律などさまざまです。乗り換えにあたっては、機能や料金、サポート体制、操作性などのほか、セキュリティ対策などもチェックしておきましょう。

また、乗り換え先のサービスに無料トライアルや無料プランがあれば、試しに利用したうえで契約するか判断できますので積極的に利用しましょう。