電子契約サービスは、契約書や申込書などの文書を電子化して、オンラインで簡単に作成・送付・署名・保存できる便利なツールです。近年では、コロナ禍でリモートワークや非対面営業が増えたこともあり、多くの企業が電子契約サービスを導入しています。
しかし、電子契約サービスには様々な種類や機能があり、自社のニーズに合ったものを選ぶことが重要です。また、一度導入したからといって、そのまま使い続ける必要はありません。他社のサービスと比較して、より良いものがあれば乗り換えることも可能です。
そこで今回は、電子契約サービスの中でも人気の高いクラウドサインからGMOサインへ乗り換える場合のメリット・注意点や方法について解説します。
クラウドサインとGMOサインの違いとは?
クラウドサインとGMOサインは、ともに電子契約サービスです。
電子契約とは、紙や印鑑を使わずに、オンライン上で契約書を作成・送信・署名・保管することです。電子契約は、コストや時間の削減、環境負荷の軽減などのメリットがあります。

では、クラウドサインとGMOサインの違いは何でしょうか?
大きく分けて以下の3つのポイントがあります。
月額料金について
両者ともに基本プランでは無制限に電子契約ができますが、GMOサインが「9,680円(税込)/月」なのに対し、クラウドサインは主に2つの有料プランがあり、「①11,000円(税込)/月」と「②30,800円(税込)/月」です。
2つの料金プランでは電話サポートの有無や紙の書類インポート機能の有無などによるものです。
両者の比較ではGMOサインが年間15,840円お得です。
電子署名について
電子署名とは、オンライン上で自分の意思表示を示すための方法です。法的な効力を持つためには、「本人確認」「改ざん防止」「長期保存」などの要件を満たす必要があります。
ここで重要なのが、「自社の電子署名」を送信できるかどうかです。GMOサインなら自社の電子署名を送信できますが、クラウドサインでは自社の電子署名を送信することはできません。
これは、ブランディングや信頼性に影響する可能性があります。
知名度について
知名度という観点では、クラウドサインのほうが優位です。
クラウドサインは日本初の電子契約サービスであり、「シェアNo.1」や「国内最大規模」というキャッチコピーをよく見かけます。一方、GMOサインは2019年から提供されており、「日本初」や「No.1」という言葉はあまり聞きません。
知名度が高いということは、「認知度」「安心感」「利用率」などにも関係します。特に電子契約に関する知識や経験が少ない相手と契約する場合は、「有名な方が良い」という心理的な要素も無視できません。
以上からわかるように、クラウドサインとGMOサインにはそれぞれメリットやデメリットがあります。どちらを選ぶかは、「予算」「ブランディング」「相手方」といった要素を考慮して決める必要があります。
クラウドサインからGMOサインへ乗り換えるメリットとは?
クラウドサインからGMOサインへ乗り換える場合にどんなメリットがあるのでしょうか?
ここでは主に3つのポイントを挙げてみます。
月額料金が年間12万円以上もお得に!
GMOサインはクラウドサインよりも安く利用できます。
例えばGMOサインでは月額料金は9,680円(税込)に対し、クラウドサインは11,000円(税込)です。これだけで月額1,320円お得です。
また文書送信が1件あたりGMOサインでは110円(税込)のところ、クラウドサインは220円(税込)かかってしまいます。
年間1,000件送信予定として、月額料金+送信数1,000件で年間約12万円もお得です。
GMOサイン | クラウドサイン | |
月額利用料(税込) | 9,680円 | 11,000円 |
送信料(1件あたり/税込) | 110円 | 220円 |
GMOサインの電子印鑑は実印相当の法的効力あり
電子印鑑とは、電子文書に押すことができる印鑑のことで、電子サインや電子署名とも呼ばれます。GMOサインの採用している電子印鑑には、法的に有効なものと、実印と同様の法的効力を持つものがあります。
の2つがあります。
「契約印プラン」は、気軽に電子契約を行うことができるプランで、法的に有効な電子印鑑を使用できます。一方で、「実印&契約印プラン」は、実印と同様の法的効力を持つ電子印鑑を使用できるプランで、電子証明書によって本人確認を行います。
ではクラウドサインで電子印鑑を作ることは可能か?
→ 作成自体は可能です。しかしながら法的信頼性は低いと言えます。
理由としては、電子印鑑の種類によるもので両者には以下のような違いがあります。
印影を画像データ化した電子印鑑は、電子印影と呼ばれ、法的な信頼性は低いとされています。これは印鑑の画像を電子文書に貼り付けるだけ、つまり画像のコピーさえ出来てしまえば、文書の改ざんやなりすましが簡単に出来てしまうため信頼性が低くなります。
一方で印影に識別情報が入った電子印鑑は、電子署名と呼ばれ、法的な信頼性が高いとされています。したがってGMOサインでは電子印鑑(=電子署名)を作成が可能なため、クラウドサインよりも信頼性が高いと言えるでしょう。
GMOサイン | クラウドサイン | |
種類 | 電子署名 | 電子印影 |
法的効力 | 高い | 低い |
管理機能や連携機能が豊富
GMOサインは契約書の作成から承認、署名、捺印、管理まで一元化できるだけでなく、さまざまな外部サービスとも連携できます。
例えばGmailやGoogleカレンダーと連携すればメールや予定から直接契約書を送信したり、freeeや弥生会計などの会計ソフトと連携すれば経理処理を自動化したりできます。クラウドサインにも連携機能はありますが、対応しているサービスの数はGMOサインよりも少ないです。
以上のようにクラウドサインからGMOサインへ乗り換えることで、料金面や電子印鑑、管理・連携面でメリットが得られる可能性があります。
もちろん両者にはそれぞれ特徴やニーズに合わせたプランがあるため、一概にどちらが優れているとは言えませんが、電子契約サービスを選ぶ際にはこれらのポイントを参考にしてみてください。
クラウドサインからGMOサインへの乗り換え方法
クラウドサインからGMOサインへ乗り換える方法ですが、基本的には以下の3つのステップになります。
Step1.クラウドサインの契約を解約する
クラウドサインの契約を解約するには、クラウドサインのマイページから解約手続きを行います。
解約手数料や解約期限などは、契約プランによって異なりますので、事前に確認しておきましょう。また、クラウドサインで作成した契約書は、解約後も一定期間は閲覧できますが、その後は削除されますので、必要な場合はダウンロードしておきましょう。またGMOサインへ乗り換える際に、クラウドサインで作成した電子契約文書等は、PDFファイルとしてあらかじめダウンロードしておきましょう。
GMOサインには「スキャン文書管理機能」があり、既存の紙媒体での契約書を電子化したい場合や、クラウドサインで管理していた文書をGMOサインに移行したい場合に便利です。
クラウドサインの解約方法については、アカウントを削除したい/解約したいをご参照ください。
Step2.GMOサインの契約を申し込む
GMOサインの契約を申し込むには、GMOサインの公式サイトから申し込みフォームに必要事項を入力します。申し込み後、メールで契約内容の確認や本人確認の手続きが行われます。
契約プランや料金は、クラウドサインと比べても安価であり、また、機能やサポートも充実していますので、安心して利用できます。また、お試しフリープランもあるため、まずは使い心地などをこちらで試すのもおすすめです。
乗り換えに不安もある方もいらっしゃると思いますが、GMOサインでは、他社からの乗り換えサポートも行っているため、安心ではないでしょうか。専任コンサルタントに相談することも可能です。
Step3.GMOサインの使い方を学ぶ
GMOサインの使い方を学ぶには、GMOサインの公式サイトにあるマニュアルや動画を参照するとよいでしょう。
GMOサインは、クラウドサインと比べても使いやすく、また、手書きサインや長期署名などの機能もありますので、より信頼性の高い電子契約ができます。
まずは上述したお試しフリープランで操作方法などを試してみるのも良いでしょう。
クラウドサインからGMOサインに乗り換える際の注意点
次に、クラウドサインからGMOサインへ乗り換える際に注意すべき点は以下の2点です。
クラウドサインの契約期間や解約条件を確認する
クラウドサインでは、フリープランの場合は自動で課金されることはありませんが、有料プランでアカウントを削除する場合は専用のフォームかチャットから行う必要があります。
また有料プランの場合は、次回更新日の10日前までに解約手続きを行ってください。
クラウドサインでは年間契約のため、途中解約でも残りの月額費用が発生してしまいます。
クラウドサインで作成した契約書のデータをダウンロードしておく
クラウドサインで解約手続きが完了すると、アカウント情報や書類データはすべて削除されます。
そのため、電子契約した文書などは解約後には閲覧できなくなってしまうため、PDFファイル等でダウンロードしてから解約を行いましょう。
まとめ
以上が、クラウドサインからGMOサインへの乗り換え方法と注意点についてでした。
クラウドサインとGMOサインは、それぞれにメリットやデメリットがありますので、自社のニーズや予算に合わせて選択することが大切です。
電子契約サービスは、紙の契約書に比べて、コストや時間の削減、環境負荷の軽減などのメリットがありますので、ぜひ活用してみてください。