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【保存版】PDFで電子印鑑を作成する方法まとめ|注意点やセキュリティ対策もあわせて紹介

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改正電子帳簿保存法により、2024年1月から、電子データでやりとりをした書類の電子保存が義務化されました。PDF上で電子印鑑の捺印まで行うことができれば、電子契約から保存までをスムーズに進めることが可能です。特に毎月多くの請求書を作成する経理担当者、契約書を作成する法務や人事労務担当者の方にとっては、大幅な効率化が期待できるでしょう。

本記事では、電子契約業務の効率化実現に向け、Adobe Acrobat Readerを使ったPDF上での電子印鑑の作り方や押印する方法を解説します。また、作成した電子印鑑の改ざん防止方法についても解説しますのでぜひ参考にしてください。

目次

改正電子帳簿保存法で電子保存が必要な書類とは?

電子保存の効率化を解説する前に、まずは2022年1月に改正され、2024年1月から完全義務化された改正電子帳簿保存法で電子保存が必要な書類について説明します。

2024年1月から、電子データで受領したものは電子保存することが義務かされました。PDFで作成されたデータはもちろん、メールに直接記載された請求書やWebページに表記されている領収書などを受領した場合も電子保存が必要になります。

電子契約に電子印鑑は必要?

電子印鑑が必要なのは、初めから電子データとして作成した請求書や領収書、契約書などです。

ただし電子契約において、必ずしも電子印鑑の押印は必要ではありません。2001年4月に施行された電子署名法で、電子印鑑と電子署名は同等の効力があると認められています。電子印鑑を押印せず、電子署名をするだけでも電子契約の成立は可能です。

   第二章 電磁的記録の真正な成立の推定

第三条 電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。

引用元:電子署名及び認証業務に関する法律 | e-Gov法令検索

では、なぜ電子契約に電子印鑑を押印するのでしょう。主な理由として挙げられるのは、契約締結の明確化です。これまで紙書類では当たり前であった印鑑が電子データでも押印されることで、互いに契約の意思を確認できます。日本ではサインよりも印鑑の方が一般的であり、押印により確かに契約が締結したと安心感を得られるのも電子印鑑を利用するメリットです。

また、社内での稟議や届出書類、取引先へ送る見積書程度であれば、気軽に利用できることから電子印鑑を使うケースも少なくありません。重要な契約以外であれば、簡単に作成して使える電子印鑑のメリットは大きいといえるでしょう。

PDF上で電子印鑑を作る方法

Adobe社が提供するPDFの管理サービス、Adobe Acrobat Readerでは無料で電子印鑑を簡単に作れます。ここでは具体的な作り方を見ていきましょう。

Adobe Acrobat Readerのスタンプ機能を使って電子印鑑を作る

Adobe Acrobat Readerでは、スタンプ機能を使って電子印鑑を作成できます。具体的な方法は次のとおりです。

  • Adobe Acrobat Readerを開く
  • メニューバー「編集」から「環境設定」を選ぶ
  • 環境設定の「分類」から「ユーザー情報」を選び、ユーザー情報を入力する
  • 電子印鑑を捺印したいPDFファイルを開く
  • メニュー画面左上にある「ツール」のタブを開き、画面右下の「スタンプ」を選択する
  • 中央上部に表示される「スタンプ」をクリックすると、数種類のスタンプが表示されるので、使いたいものを選択する
  • 先ほど開いた捺印したい書類にAdobe Acrobatの電子印鑑がついている状態で表示されるので、そのまま捺印したい場所に移動し、クリックで固定する

なお、頻繁に同じ電子印鑑を利用する場合は、先ほどの電子印鑑をもう一度開き、選択し、左パネルから「スタンプ」「現在ンスタンプをお気に入り追加」を選択し、登録することも可能です。

Adobe Acrobat Readerのスタンプ機能を使いオリジナルの電子印鑑を作る

続いて、オリジナルの電子印鑑をAdobe Acrobat Readerに登録する方法を解説します。

  • 画像作成ツールや電子印鑑作成ツールなどを使い、オリジナルの電子印鑑を作成する
  • 作成した電子印鑑をPDFに変換する
  • Adobe Acrobat Readerを開き、電子印鑑を押印したい文書を開いておく
  • 画面左上にある「ツール」を開き、右下のスタンプを選び、スタンプウィンドウを開く
  • 「カスタムスタンプ」をクリックして「作成」を選択する
  • 「参照」をクリックして、ダイヤログに一覧表示されるファイルから作成したオリジナルスタンプファイルを開く
  • 「カスタムスタンプ作成」の画面で「分類」から「電子印鑑」を選択し、名前を入力し「OK」をクリックする

これで「スタンプ」の「電子印鑑」を選択すれば、作成した電子印鑑が表示されます。るので、予め開いておいた文書に押印できます。

PDF形式以外のデータを取り込んで電子印鑑を作る

前項ではスタンプ機能を使って独自の電子印鑑を作る方法を紹介しました。しかし、スタンプ機能ではPDF形式のデータしか取り込むことができません。そのため、作成した電子印鑑をPDF形式に変換する手間がかかってしまいます。そこで、jpgやpngなどの形式で作成した電子印鑑をPDF形式に変換せずにそのままAdobe Acrobat Readerに取り込む方法を紹介します。

  • 画像作成ツールや電子印鑑作成ツールなどを使い、オリジナルの電子印鑑を作成する
  • Adobe Acrobat Readerを開き、電子印鑑を押印したい文書を開いておく
  • 画面左上にある「すべてのツール」を開き、「入力と署名」を選択する
  • 「自分で署名」を選び、「イニシャルを追加」をクリック
  • イニシャル入力画面が開くので「タイプ」「手書き」「画像」から画像を選択する
  • 作成したオリジナルの電子印鑑を選択する
  • イニシャル入力画面に画像が表示されるので問題なければ画面下にある「適用」をクリックする

これで、予め開いておいた文書の押印部分にカーソルを移動し、左クリックをすればオリジナルの電子印鑑を押印できます。

作成した電子印鑑の編集方法

Adobe Acrobat Readerで作成した電子印鑑は押印後、移動や拡大・縮小などの編集が可能です。

電子印鑑は左クリックで選択し、四隅にカーソルを合わせると矢印マークが出るので、左クリックをしたまま、その矢印を斜め下もしくは斜め上に動かせば拡大、縮小ができます。ただし、縦横比を変えることはできません。

削除する場合は、電子印鑑を選択して削除を選択します。

Adobe Acrobat Readerで作成した電子印鑑や電子サインのセキュリティ対策

ここまでAdobe Acrobat Readerを使って電子印鑑や電子サインを作る方法を解説してきました。ただ、これまでの方法では、第三者による改ざんが可能です。そこでAdobe Acrobat Readerで作成した電子印鑑のセキュリティ対策について解説します。

押印した電子印鑑にロックをかける

押印した電子印鑑の改ざんを防止する方法であるロックのかけかたを解説します。

  • 押印した電子印鑑の上で右クリックしてコンテキストメニューを開き「プロパティ」を選択する
  • 「スタンプのプロパティ」が表示されるので左下にある「ロック」にチェックを入れ、「OK」をクリックする

これで、押印した電子印鑑の移動や拡大、縮小、削除などの編集はできなくなります。

電子印鑑を押印したPDFファイルにパスワードを設定する

無料版であるAdobe Acrobat Readerでは、電子印鑑にロックをかけることしかできません。しかし、有料版にアップデートすれば、電子印鑑を押印したPDFファイルにパスワードを設定できます。

PDFファイルで作成した契約書や請求書にパスワードを設定すれば、パスワードを知るものしかPDFファイルを開けません。これにより第三者に無断で開かれ改ざんされてしまうリスク防止が可能です。

また、無料のAdobe Acrobat Readerで作成したPDFファイルでも、たとえばZip圧縮ソフトで圧縮してパスワード設定をすれば、有料版ではなくてもPDFファイルはパスワードを知らなければ開けません。ほかにも無料で提供されているPDFの編集ソフトを使ってもパスワード設定が可能です。

Adobe Acrobat Readerで電子印鑑や電子サイン、電子署名を作成する際の注意点

Acrobatを使えば容易に電子印鑑を作れます。ただし、次に挙げる3点については注意が必要です。

編集可能なAdobe Acrobat Readerであればロックをかけても外されてしまう

Adobe Acrobat Readerでは電子印鑑にロックをかければ、移動や拡大・縮小、削除ができなくなります。しかし、それは無料版だけです。有料版のAdobe Acrobat Readerであれば編集ができるため、電子印鑑にかけたロックを外せてしまいます。

無料版の電子印鑑には法的効力がない

無料版の電子印鑑には法的効力がありません。電子印鑑で法的効力を持つのは、認証局による電子署名書が発行されているものだけです。

無料版のAdobe Acrobat Readerで作成した電子印鑑は電子証明書が発行されていないため、取引先との契約書や請求書などの重要な書類であることの正当性を証明することが難しくなります。

パスワードは簡単に解除されてしまうリスクがある

PDFファイルにパスワードを設定したとしても、悪意を持った第三者の手に渡ってしまえば簡単に解除されてしまいます。改ざんされるリスクはゼロではありません。

無料、有料に関わらずAdobe Acrobatで作成する電子印鑑はセキュリティ面においては多くの不安が残ります。重要な契約には使わず、社内での稟議や形式的な契約書などに留めておくことが、Adobe Acrobatの電子印鑑を便利に使うポイントです。

重要な電子データへの電子印鑑押印は電子契約サービスの導入がおすすめ

Adobe Acrobatを使えば容易に電子印鑑を作成できます。WordやExcelなどを使って契約書を作成し、別のサービスを使って電子印鑑を押印してPDF化する手間の軽減が可能です。ただし、セキュリティ面は十分ではありません。

ロックやパスワードを解除されるリスクがある」「法的効力がない」などのリスクもありますから、取引先との重要な契約にはおすすめできません。ただ、社内の稟議や見積書などであれば問題なく使えるため、用途に応じて電子印鑑を使い分けることをおすすめします。

そこで、取引先との重要な契約におすすめなのが、電子契約サービスの導入です。

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供する電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」なら、万全のセキュリティで電子印鑑を使った契約を安全に行うことが可能です。

電子印鑑GMOサインの主な特長として挙げられるのが、2種類の電子署名を利用できる点です。メール認証で本人性を担保し、スピーディーな契約締結を実現する契約印タイプの電子署名と電子認証局により本人確認・発行された電子証明書で署名する実印タイプがあります。これにより、社内での形式的な契約から、法的効力が求められる取引先との重要な契約まであらゆる電子契約を一つのサービスで実現可能です。

改正電子帳簿保存法にも対応しているため、担当者の負担軽減も可能です。これまで多くの企業に導入され、国内外での契約業務を安全かつ効率的に実現してきた「電子印鑑GMOサイン」。電子契約の効率化やセキュリティ対策にお悩みの際はぜひお気軽にご相談ください。

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