電子帳簿保存法の改正でペーパーレス化を進める企業が増加しています。そこで課題となるのが、これまで紙で行っていた契約の電子化です。紙の書類でしか契約を行ってこなかった企業にとって、電子契約の導入は不安が多いのではないでしょうか。
そこで当記事では無料で使える電子契約サービス「GMOサイン」について、概要や導入のメリットとデメリット、便利な機能、使い方などをお伝えします。
目次
GMOサインとは
引用元:GMOサイン
GMOサインは、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供する電子契約サービスです。
電子契約とは、電子データの契約書に電子署名を行うことで契約を締結する方法で、担当者の負担軽減に大きく貢献します。
また、GMOサインは電子帳簿保存法にも対応しており、安心して利用できます。
GMOサインの無料プランでできること
GMOサインは、無料で使えるお試しフリープランと有料の契約印&実印プランの2種類が存在します。ここでは、お試しフリープランでできることについて解説します。
参考:フリープランと有料プランの違い|GMOサイン
利用期間
GMOサインのお試しフリープランはお試しサービスではありますが、利用期間の制限はありません。いつまでも無料で使い続けることが可能です。
利用できる人数
お試しフリープランを利用できる人数は1ユーザーのみです。個人事業主のほか、スタートアップ企業で電子契約を試してみたい場合におすすめします。また、中小企業や、大企業でも社内導入に向け、テストで利用したい場合に最適です。
なお、契約印&実印プランでは、利用できる人数に制限はありません。
送信できる件数
電子契約書を送信できるのは1ヶ月で5件までです。契約印&実印プランには送信できる件数にも制限はありません。
契約印のタイプ
電子署名のタイプは、立会人型と当事者型の2種類あり、お試しフリープランでは、立会人型が利用できます。
立会人型とは、電子契約サービスを提供する事業者、つまりこの場合ではGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が当事者の指示に基づき電子署名を付与する方法です。
自社と契約者の間に入り、契約締結に立ち会うという意味で立会人型もしくは事業者署名型と呼ばれています。立会人型署名では、電子契約サービスとメールアドレスさえあれば契約が可能なため、取引相手にかかる負担も少なく、多くの企業で利用されている方法です。
これに対し、当事者型とは、自社と契約者がそれぞれ電子署名を付与します。契約を行う本人が電子証明書を利用するため、立会人型署名に比べ本人確認の確実性が高まる方法です。
電子証明書の発行は、認証サービス事業者に本人確認を行う手間とコストがかかります。ただ、より厳格な本人確認を必要とする契約を行う際には、当事者型の利用がおすすめです。
GMOサインの契約印&実印プランでは、立会人型署名と当事者型署名の双方を利用することができます。
たとえば、自社側は当事者型で本人確認を厳格に行い、取引先は手間のかからない立会人型といった使い方も可能です。
手書きサイン
保険の契約や入会申込など電子契約はBtoBだけではなく、BtoCでも利用するケースがあります。また、社内での従業員向け誓約書でも電子契約を交わすケースは少なくありません。これらの契約の多くは対面で行われるため、便利な機能となるのが手書きサインです。
スマートフォンやタブレット端末の画面上に手書き文字で署名できるため、承認の証としてサインが必要な際に最適な機能です。なお、お試しフリープランでも手書きサインが利用できます。
印影登録
印影登録とは、電子契約においても書面契約と変わらない見た目を再現するために印影を登録する機能です。
登録は事前もしくは署名時の登録が可能で、書面契約と変わらない見た目で保存したい場合に利用できます。
認定タイムスタンプ
電子署名の非改ざん性を担保する技術であるタイムスタンプ機能も、お試しフリープランで利用可能です。
電子契約で利用するタイムスタンプの検証可能期間は、約10年と期限が決められています。
お試しフリープランでは、10年ごとに最新暗号技術に基づくタイムスタンプを付与するため、長期保存にも対応可能です。
契約締結証明書
契約内容や契約委締結日時などを記載した契約締結証明書をダウンロードもしくは紙媒体での印刷を行えます。電子契約を行った場合、そのまま電子データとして保存することが基本です。しかし、契約内容や締結日時を確認するためだけに、電子データを開くことは不便に感じてしまいます。印刷した契約控えに証明書を添付しておけば、電子データを開くことなく、簡単に確認ができます。
署名者変更
契約書を送信する相手と署名者が異なる場合、送信先の相手は署名者を変更することが可能です。
署名順設定(順列/並列)
承認フローで複数人の署名が必要な場合、契約文書への署名を順列もしくは並列で並び替えることができます。
アクセスコード認証
契約書の送信先で誰もが署名画面にアクセスできないよう、あらかじめアクセスコードを設定することが可能です。
⽂書テンプレート登録
契約書を毎回作成する手間を軽減する機能として、文書テンプレート登録があります。一度登録しておけば、毎回、GMOサインにアップロードすることなく、登録したテンプレートを呼び出して簡単に契約締結が可能です。
アドレス帳
頻繁に契約書のやり取りをする取引先の情報をアドレス帳に登録することができます。都度、送信先を入力する手間削減に加え、入力ミスによる誤送信防止も可能です。フリープランで登録できる数の上限は、マイアドレス帳(個人用)、共通アドレス帳(共有用)ともに5件となっています。
なお、契約印&実印プランでは、マイアドレス帳で300件、共通アドレス帳であれば5,000件まで登録可能です。
下書き保存
作成途中の文書を一旦、保存しておける機能を利用できます。
差込文書一括送信
たとえば、非正規雇用社員との間で契約更新をする際、企業規模によっては、数百から数千の相手と契約書を交わす必要があります。しかも、相手によって雇用期間が異なる場合、1枚ずつ別途作成しなければなりません。
差込文書一括送信では、CSVファイルにデータ入力したものをアップロードするだけで異なる契約期間を入力した契約書を一括で作成し、そのまま送信できます。
契約更新の通知
契約更新を忘れずに行うための機能で、文書ごとにリマインド設定をすることで、契約更新・解約漏れの防止が可能です。
文書検索(電子帳簿保存法対応)
保存した電子データを契約書名、相手方、締結日、有効期限などから必要な文書を検索でき、電子帳簿保存法に対応しています。
フォルダ作成
文書の種類や部署ごとにフォルダを作成できる機能です。効率的に文書管理を行えます。
文書管理項目の追加設定
文書管理を行うための項目を追加で設定するための機能です。
GMOサインでは、文書ごとに文書名・相手方・締結日などで情報管理ができますが、この項目を自分たちで自由に設定できます。
また、関連契約の紐付けや表示もできるため、文書管理の効率化が可能です。
二要素認証
セキュリティ強化対策として、ログイン時にワンタイムパスワードを追加要求する二要素認証を利用できます。なお、二要素認証は、スマホアプリGoogle Authenticator(Google 認証システム)の利用が必要です。
GMOサインのお試しフリープランを利用するメリット・デメリット
GMOサインのお試しフリープランを利用することのメリットとデメリットについて解説します。
利用期間の制限がない
お試しフリープランを利用するメリットの1つは、利用期間の制限がない点です。サービスによっては1ヶ月や3ヶ月など利用期間の制限があり、期間を過ぎると有料版に移行するかサービスの利用を止めなければならないものも少なくありません。
しかし、GMOサインのお試しフリープランは、利用期間制限がないため、少数の利用であれば、契約印&実印プランに移行することなく使い続けられます。
無料でも数多くの機能が利用可能
無料でも数多くの機能が使えるのもお試しフリープランのメリットです。無料のものは機能制限が多く、本格的に利用したい場合は、有料版にしなければならないサービスもあります。
しかし、お試しフリープランであればそうした心配はありません。前項で示したように、数多くの機能が利用できるため、無料でも問題なく電子契約を行えます。また、改正電子帳簿保存法に対応していることも大きなメリットといえます。
利用できる機能に制限がある
お試しフリープランのデメリットは、利用できる人数が1人、1ヶ月で送信できる件数の制限が存在する点です。個人事業主や取引先が少ない企業であれば問題はありません。しかし、取引先や契約社員が多く存在する企業では、すぐに送信数の上限に達してしまう点はデメリットといえます。
契約印&実印プランでのみ使える機能
電子契約を本格導入前のお試しはもちろん、個人事業主や取引先の少ない企業であれば、お試しフリープランでも問題なく利用できます。しかし、電子契約により本格的な業務効率化を果たしたい、複数人で電子契約を管理したい、内部統制強化につながる機能も使いたい場合は、契約印&実印プランの導入がおすすめです。
ここでは、契約印&実印プランでのみ使える機能を紹介します。
当事者型の利用
契約印&実印プランでは、相手方は立会人型で自社側だけ当事者型のハイブリッド署名が可能です。そのため、相手方はGMOサインの契約や電子証明書を取得する必要がありません。法的適合性・署名権限管理を担保しつつ効率的に電子契約を実現できます。
参考:ハイブリッド署名|GMOサイン
閲覧制限
契約書のなかには、社外秘文書も少なくありません。契約印&実印プランでは、フォルダごとに閲覧制限の設定が行えるため、外部への漏洩リスク低減が可能です。
参考:閲覧制限|GMOサイン
ユーザーグループ管理
GMOサインを利用するユーザーを、所属部署ごとにグルーピングして運用することができます。
役割・権限設定
契約印&実印プランでは、利用するユーザーを管理者、文書管理者、文書閲覧者、署名者の4つの役割に分け、権限を付与する設定が可能です。また、オプション機能として、文書閲覧や編集権限が付与されず、ユーザーの追加や削除、フォルダ設定の権限が付与されるシステム管理者も存在します。
操作ログ管理
セキュリティ対策も含め、適切な電子契約の管理を実現させるため、サービスを利用するユーザーがいつ、どの文書に、どのような処理を行ったかを確認する操作ログ管理を行えます。
オプションで利用できる機能
契約印&実印プランでは、ここまで紹介した機能のほかにも次のようなオプションが用意されています。用途や目的に応じてオプションを追加すれば、さらに電子契約の効果的な活用が可能です。
参考:オプションパック|GMOサイン
セキュリティ・内部統制パック
事業部ごとの契約のブラックボックス化や社外アクセスの防止、紙の契約書と電子契約のデータを一元管理したい場合のオプションです。
- ワークフロー固定機能
- SSO・IdP連携(SAML)
- IPアドレス制限
- スキャン文書管理(10GB)
- 一括ユーザー管理
- 書面送付先のメールドメイン制限
- 文書ダウンロード許可
- 送信件数明細
- システム管理者ロール
- メールワンタイムパスワード
- フォルダCSV一括登録
- パスワードの有効期限設定
アカウント総合管理パック
1つのメールアドレスで複数のGMOサインアカウントの管理を行いたい、電子契約を行う社員が多く管理の手間がかかる、部門が多くフォルダ管理が煩雑などの課題を解決するためのオプションです。
- グループアカウント機能
- 一括ユーザー管理
- フォルダCSV一括登録
- 送信件数明細
- 文書ダウンロード許可
- システム管理者ロール
本人確認パック
契約書が本人であることの確認、運転免許証の様式チェック、メールアドレスのわからない相手との契約など、個人との契約で本人確認をするためのオプションです。
- ファイル添付機能
- 本人確認書類添付機能
- 運転免許証の様式チェック
- SMS送信機能
- アクセスコードのSMS送信
契約レビューパック
時間と手間のかかる契約書の作成と審査を効率的に行うためのオプションです。
- 契約レビュー
- 全文検索機能
- カスタム項目機能
- ワークフロー機能
- GMOサイン連携機能
サービス連携
GMOサインは、さまざまな外部サービスとの連携が可能です。主なサービスとしては、次のようなものが挙げられます。
- Salesforce
- Kintone
- Slack
- LegalForce
- SmartDB
- どこでも契約書クラウド
- マネーフォワードAdmina
- Box
GMOサインは、これ以外にも電子契約の導入に向け、コンサルティングや社内向け説明会・勉強会、各種設定支援など多くのサポートを行っています。そのため、初めての電子契約であってもスムーズな導入、運用が可能です。
まずはGMOサインを無料で試してみよう!
GMOサインは、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供する電子契約サービスで、多くの顧客から高い評価を得ています。GMOサインの活用により、電子帳簿保存法に対応しつつ、業務効率化による担当者の負担軽減、紙の契約書から電子化への移行を実現します。
GMOサインのお試しフリープランであれば、1人のユーザーが毎月一定数まで無料で電子契約を行うことが可能です。無料でも数多くの機能を利用できるため、個人事業主や毎月の契約が少ない企業であれば、期限の制限なく無料で電子契約を行えます。
また、毎月の契約数が一定以上あり、より多くの機能を活用したい場合には契約印&実印プランがおすすめです。今回、紹介した機能を確認いただき、自社の目的や用途に応じて最適なプランを選択してください。