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電子契約導入後に修正・策定が必要な社内規程についてわかりやすく解説!導入方法も紹介

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近年、電子契約の導入が様々な企業で進んでいます。一方で電子契約の導入により、これまでの社内規程は変更すべきなのか、懸案されている経営者の方も多いのではないでしょうか。まさに、書面での契約が電子契約に代わる場合は、社内規程の修正だけでなく、新たに策定する必要もあります。どちらも済ませておけば、電子契約導入後に困ることもないでしょう。

この記事では、電子契約導入前に必要な社内規程の修正・策定内容について詳しく解説します。電子契約を導入する流れも紹介するので、電子契約サービスの利用を検討している方はぜひご覧ください。

目次

電子契約とは?

電子契約とは、インターネットを介して当事者双方が電子署名を行い、契約を締結することです。契約・売買・商品の出荷や発注・請求・決済などの幅広い方法を含む電子取引がさまざまな分野で広がり、契約においても電子文書のやり取りだけで。締結する方法=電子契約が広がっています。

電子契約はインターネットを介して契約を締結するため、書面での契約に比べて、時間と手間を削減できるメリットがあります。また、安全に契約を締結するための機能を用意した電子契約サービスも増えているので、電子化に移行する際は、サービスの利用を検討することがおすすめです。

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電子契約導入後に策定・修正が必要な社内管理規程とは

電子契約の導入を前向きに検討している方は、社内規程の修正だけでなく、新たな規定の策定も行わなければなりません。電子契約に必要な規程を定めておけば、導入後のトラブルを予防できます。規程を確認しつつ、契約を進められるため、社員の負担も抑えられるでしょう。

ここでは、修正・策定すべき3つの社内規程を解説します。

印章管理規程

電子契約を導入した場合、既存の印章管理規程を修正する必要があります。印章管理規程とは、社内の印章を管理するための規程です。企業によって規程は異なりますが、主に以下のような内容が定められています。

  • 代表取締役印や社印などの印章の定義と種類
  • 印章の制定と改定の手続き
  • 印章を使う範囲
  • 印章の持ち出しと返却に必要な手続き
  • 印章の管理責任者
  • 印章の盗難・紛失時の手続き

社印や代表取締役印を所有する会社の多くは、上記のような印章管理規程を定めているかと思います。しかし、規程は書面での契約作成を想定したものになっているため、電子契約に適した規程内容に変えなければなりません。

電子契約は電子ファイルでのやり取りになるため、印章は不要です。印章に代えて、電子署名を使っていくため、上記の規定を修正する必要があります。

文書管理規程

電子契約に移行すると、多くの文書が電子化されるため、オンライン保管が主流になります。業務で発生する契約書や発注書などの管理ルールが変わるため、管理方法を定める文書管理規程を修正しなければなりません。

電子ファイルの保存方法については、電子帳簿保存法で厳しく定められているため、変更要件を文書管理規程に追加しましょう。電子帳簿保存法で定められている保管条件は以下の通りです。

  • 電子ファイルを作成するソフトのマニュアルの備え付け
  • 電子ファイルを確認できる液晶の備え付け
  • 検索機能の確保
  • データの真実性を担保する措置

参考:どうすればいいの?「電子帳簿保存法」 | 経済産業省 中小企業

電子契約の導入にあたり、電子契約サービスを利用する方も多いでしょう。利用するサービスの使い方が記載されたマニュアルを、データを保管しているクラウドを確認できるパソコンやタブレットのそばに備え付ける必要があります。

検索機能とデータの真実性を担保するための措置については以下の通りです。

保存要件
概要
対応方法例
3.検索機能の確保・「取引年月日」
・「取引金額」
・「取引先」
で検索できるようにする
1.検索機能に対応した専用ソフトを使用する
2.ファイル名を「20221031_(株)国税商事_110000」等にしてデータを保存する
3.Excel等で索引簿を作成し、保存したファイルと関係づける
4.真実性の担保保存した電子データの真実性を担保できるようにする。A.タイムスタンプが付与された書類の受け取り
B.データに速やかにタイムスタンプを付与する
C.データの訂正・削除が記録されるまたは禁止されたシステムでデータを受け取って保存する
D.不当な訂正削除の防止に関する事務処理規程を整備・運用
引用元:どうすればいいの?「電子帳簿保存法」 | 経済産業省 中小企業どうすればいいの?「電子帳簿保存法」 | 経済産業省 中小企業庁

確認が必要な電子ファイルをすぐに探せるように、検索機能の付いたソフト・サービスの利用と、取引情報を含めたファイル名の入力が求められています。膨大な量のデータから素早く探し出すために、エクセルなどで索引簿を作成することも求められているため、電子契約導入後は必ず作っておきましょう。

真実性の担保は、電子ファイルの内容が変えられていないことを証明するための条件です。タイムスタンプは書類の内容が改ざんされていないことを証明できるため、書類作成時に付与しておくといいでしょう。

利用する電子契約サービスに変更履歴を確認できる機能が付いていれば、真実性の担保の条件を満たせます。作成した書類内容を変更できないソフト・サービスを使っても構いません。

このように、電子契約は、電子帳簿保存法で定められているルールを守らなければなりません。そのため、文書管理規程に、電子帳簿保存法に基づいた項目を追加する必要があります。

また、電子契約導入後に社内で事務処理規程を整備し、運用する方法もおすすめです。電子帳簿保存法において事務処理規程とは、真実性を確保するための規定のことを指し、作成した書類の不当な訂正・削除を防止するルールを定めたものです。整備後に規程通り運用していれば、真実性の担保の条件を満たせます。

電子署名管理規程

書面での契約と電子契約とでは運用方法もワークフローも大きく異なります。そのため、電子契約を導入するならば、電子契約に適した新たな規程を作成する必要があります。電子署名管理規程で定めるべき主な項目は以下の通りです。

項目
内容
定める目的と定義電子署名管理規程を定める目的と、規程内で使われる用語の定義を記載
電子署名の制定の手続き電子契約システム上におけるルールを記載
電子署名の種類使用する電子署名について記載
保管方法二要素認証の仕組みやセキュリティ対策などを記載
管理責任者と管理代行者規程に記載された管理責任者が何らかの事情で業務を行えない場合、管理代行者の電子署名を許可することを記載
紛失や盗難などへの対応電子署名の使用に必要な情報が紛失・盗難した際の対応方法を記載

初めて電子契約を導入する企業は、一から電子署名管理規程を作成しなければなりません。自社の運用に適した内容の規程を作りましょう。

電子署名に関する規程を、印章管理規程に追加する企業もあります。新たに策定しても、既存の規程に追加してもどちらでも構いませんので、必要な規程を定めておきましょう。

電子契約の規程を策定するポイント

電子契約の導入にあたり、社内規程を作成しなくてはならないことはご理解いただけたと思います。しかし、特に新たに策定する必要のある電子署名管理規程は、これまでにない規程内容になるため、どのように定めるべきか不安を感じられるのではないでしょうか。

ここでは、電子契約に関する規程を策定する際のポイントを解説します。

印章やハンコなどの言葉を使わない

電子契約に関する規程を策定する際に注意したいのが、印章やハンコなどの言葉を使わないことです。電子契約は書面ではないため、基本的に印章やハンコを使いません。電子署名も印章とは異なるため、規程内に誤って用語を入れないようにしましょう。

電子署名の管理方法や管理責任を明確に定める

電子署名をどのように管理するか、管理責任は誰にあるかを明確に定めることが大切です。電子署名は、書面に必要な押印と同じ役割を果たすものの、管理方法が大きく異なります。電子署名は電子的、押印は物理的な保管が必要になるため、電子的な保管方法を記載しなければなりません。

電子署名は二要素認証で保管します。二要素認証とは、本人だけが知る情報(パスワードや秘密の質問など)・本人の所有物(スマホのSMSやキャッシュカードなど)・生体認証(顔認証や指紋認証など)のいずれか2つを組み合わせた本人確認です。本人確認ができた場合のみ、電子署名を利用できます。

保管方法と一緒に、電子署名の管理責任者と管理代行者も定めておきましょう。通常は管理責任者が電子署名を管理しますが、病気やケガなどによって職務を遂行できなくなる可能性もあります。管理代行者は責任者に代わって電子署名の許可を行えるため、非常時に備えて代行者も決めておきましょう。

利用する電子契約サービスとの管理関係を記載する

電子契約サービスを利用する場合は、自社とサービスの管理関係も規程に入れておきましょう。電子契約サービスを介して契約を締結する場合、電子署名の秘密鍵は電子契約サービスがクラウド上で管理します。

秘密鍵は、電子署名を暗号化する際に必要になるものです。公開鍵と秘密鍵の2つを持つ人のみが電子ファイルを閲覧・署名できるため、第三者に洩れないよう厳重に管理しなければなりません。

電子契約サービスは秘密鍵を管理する、実質上の管理代行者にあたるため、電子署名の規程に管理関係を記載しておきましょう。

電子署名の管理規程サンプルを参考にすることもおすすめ

電子署名管理規程の内容は大体理解したけれど、書き方がわからないとお困りの方はサンプルを参考にしてみてはいかがでしょうか。インターネットからサンプルを検索すると、複数の例がヒットします。サンプルを参考に、自社に適した規程に仕上げることで、必要項目に抜けのない規程を策定できるでしょう。

電子契約を導入する流れ

初めて電子契約を導入する方は、何から始めればいいか迷うかと思います。ここでは、電子契約を導入する流れを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

STEP

現在の契約書管理やワークフローなどを確認する

まずは現在の書類の管理体制とワークフロー体制を確認し、可視化しましょう。書類の管理体制で可視化しておきたい項目は以下の通りです。

  • 業務で取り扱う書類の種類
  • 書類の作成にかかる時間
  • 作成する書類枚数
  • 保管方法

4つの現状を把握し、可視化したら、次はワークフローの把握と可視化を行います。ワークフローをチェックする際に確認しておきたいのが、人の手が必要なところはどこか・どこで時間がかかっているかの2点です。

現状を把握し、可視化することで電子契約サービスに求める機能を明確にできます。おおよその把握だと必要な機能がわからないため、多少の時間がかかっても、詳しく確認しておきましょう。

STEP

電子契約サービスに求める機能を明確にする

現状の把握と可視化によって問題点を明確にしたら、次にそれを解決してくれる機能を明確にしましょう。
たとえば、必要なところに人員を割けない、他部署への移動に時間がかかるなど、ワークフローに問題があったとします。

電子契約サービスのなかにはワークフロー管理機能を用意しているところもあり、サービス内で書類のチェックや承認を行うことが可能です。サービスを利用できるパソコンやタブレットがあれば、その場ですぐにチェックできるため、人手不足や時間の問題を解決できるでしょう。

必要な機能を明確にするとともに、サービスを導入する範囲についても確認することが大切です。企業のなかには、電子契約サービスの機能をまったく使わない部署もあります。利用アカウント数に応じて月額料金が高くなるサービスもあるので、必要な場所にのみ導入しましょう。

STEP

電子契約サービスを選ぶ

必要な機能を把握した後は、機能を備える電子契約サービスを選びます。電子契約サービスによって月額料金や利用可能な機能が異なり、なかには高額のプランを選ばなければ、全機能を使えないところもあります。求める機能とコストパフォーマンスをチェックしたうえで、最適なサービスを選びましょう。

STEP

運用体制やルールなどを話し合う

電子契約サービス選定後、電子契約の運用体制やルールについて社内で話し合いましょう。会議にはシステムの担当者だけでなく、実際にサービスを利用して業務を遂行する部署の担当者も参加することが大切です。複数の意見を取り入れながら、自社に適した運用体制を整えましょう。

話し合う際は、関連する各部署の担当者で一緒に社内規程の新たな策定と修正を行うことがおすすめです。導入前に規程を策定しておけば、慌てて社内ルールを整える必要もありません。

STEP

取引先に電子契約の導入を伝える

運用体制やルールを整えたら、電子契約導入前に、取引先へ伝えましょう。書面での取引に慣れている企業は、電子契約導入にネガティブな反応を示すかもしれません。しかし、電子契約は書面にはないメリットがあるため、良さを十分に伝えることが大切です。

取引先に伝えておきたい電子契約のメリットは以下の通りです。

  • 時間や手間をかけずに契約を締結できる
  • 契約更新の確認漏れを防止できる
  • 書類の保管・管理を効率化できる

取引先に提示できるメリットは上記の3つですが、導入を検討している取引先に対しては、印紙税の削減・社員の負担の緩和・コンプライアンスの強化などのメリットも伝えると良いでしょう。

STEP

電子契約サービスを導入する

取引先と社内への周知が済んだら、電子契約サービスを導入します。まずはシステム担当者がアカウント設定やアクセス制御などの初期設定を行い、問題なく動作することを確認した後に、サービス利用部署に導入しましょう。

STEP

勉強会やセミナーを開催して社内に使い方を周知する

サービス導入後、システムに関する勉強会やセミナーを開催しましょう。新たなシステムの導入は、全社員が戸惑うものです。機能性に優れたサービスを導入すると、逆にどの機能をどのように使えばいいかわからないといった不満も出てくるため、導入後すぐに開催することがおすすめです。

電子契約サービスを導入する方は電子印鑑GMOサインをご検討ください

電子契約を導入する際は、これまでの社内規程の一部を変更したり、新たに電子署名管理規程を策定する必要があります。電子契約にあわせて規程を修正し、新たに策定する電子署名管理規程に関しては、サンプルを参考にしましょう。自社に適した規程を策定し、運用体制を整えれば、電子化への移行がスムーズになります。

電子契約サービスの選定に迷っている方は、電子印鑑GMOサインをご検討ください。

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